自動洗浄装置

背景

ある内資系医療機器メーカーは、自社で開発した医療機器の自動洗浄装置のユーザビリティ試験を実施する必要がありました。その試験は、米国FDAの21 CFR Part 820 – Quality System Regulation (QSR)のデザインコントロール (設計管理)で求められる、デザインバリデーションの一環のユーザビリティ試験でした。

その製品は海外向け製品であり、この試験は米国の実際のリプロセステクニシャンを対象として実施する必要がありました。また、その製品の開発自体は日本で行っており、米国法人には開発部門でこの業務を支援できる者は少なく、日本の開発部門が米国現地でこの試験を実施する計画を立てていました。

課題

QSRのデザインコントロール (設計管理)では、

アプローチ

そのような背景を踏まえ、試験の実施前に、試験プロトコルレビューをすることで試験の目的や評価内容を明確に定める必要があることを説明し、実査の前に試験資材を入念に作り直すことにしました。そのメーカーが作成した試験プロトコルは、評価するタスクも成功基準も明確になっておらず、試験資材であるモデレーターガイドや記録表の内容にも矛盾や不備や不足が見られていました。このような資材を用いて試験を実施してしまうと、試験中に混乱が生じ、本来評価するべきタスクが評価できなくなってしまいます。

そこで試験プロトコルについては、試験プロトコルに記載すべき内容というものを、そして本来あるべき試験プロトコルとはどういうものなのかを依頼元のメーカーに説明しました。試験資材については、試験を実施するモデレーターが、タスクをしっかり理解し、スムーズに試験を運営でき、適切に結果を記録できるように、モデレーターガイドと記録表を作り変えました。イントロスクリプト、シナリオの説明、タスク指示と成功基準、スコア定義、アシスト方法やモデレーター指示等、必要な情報をすべて明確化しました。そしてそれらの資材を用いて試験を実施しました。

結果

その結果、そのやり直し試験は大きな問題は発生せずに最後まで実施することができました。過去の試験のように実施するタスクや試験資材の内容をを試験中にその場で変更するような、試験としてはあるまじき行為をすることなく、試験を実施することができました。残念ながら、やり直し試験でも、テスト製品自体が本来想定されていたように動かず、幾つかのタスクで当初定めた通りに評価できないということが数回発生しましたが、それらも逸脱としてきちんと記録に残し、結果をまとめることができました。また、記録表についても、行動観察記録に加え、根本原因の記録や主観的フィードバックの記録が明確に分かるように構成を整えて記録した結果、その後のリスク分析がしやすい形で納品することができました。

Hints &Tips